ホテル英國館
Bill Leckieさん、「銭金」に出ている場合じゃないですよ(苦笑)。他にやるべきことが一杯あるんじゃないかと思うんですけど、どうしちゃったんでしょうか? 私は、このバンドこそ日本のシーンのLast Resort(最後の砦)だと思っていたんだけど、大した活動はしていないみたいですね。「銭金」では35歳だと言っていたけど、今は亡きThe Creedと一緒にOne Way Systemを日本へ招聘したり、GMMからリリースしようとしてトラブルになったり、アルバムも2枚もリリースしたし、疲れたと言うか、もうやるべきことは全てやってしまったのかな。これは私の勝手な憶測に過ぎないので、間違っていたらごめんなさい。でも、残念だよね。
同じ京都出身のFirtst AlertとRadio Shanghaiは、すでに解散。LRFとSide Burnsは、かつての勢いは消え失せ活動停止。The Griffinは、このほど残念ながら解散予定。失礼な言い方かもしれないが、SandiestとClampdownは、まだリーダーの器からは程遠い。「この国には、素晴らしい才能に恵まれたバンドが数多くいる。ただ残念なのは、彼らの多くが半分の力でしか走っていないことである」というのは、一生懸命バンド活動をしている人々からしたら大変失礼な言い方かもしれないけど、そう言わざるを得ない状況ですね(涙)。これは関西のシーンの現状なんだけど、じゃあ関東のシーンはどうですかというと、"Oi of Japan"の時しかり、"JM"の時しかり、関東というのは昔から基本的に関西の後追いでやってるような風潮があるから、いいバンドが出てこないんだよ。The Griffin、LRF、Allegianceクラスのバンドは、いないと思うよ。関東にも、やっとThe Avoidedみたいなバンドが出てきたんだけど、少しプラスチックな感じがするところが気に障るんだけどさ。
でもさ、押韻も知らないで英語で歌っている、Oi!/Skinhead Cultについて全然理解していない、「人種差別・白人至上主義」について曖昧で自分の意見も説明できない、『DOLL』に「おんぶに抱っこ」状態の、ミーちゃんハーちゃん向けの、うんこチンチン・ドキュソOiみたいなのが他に競争相手がいないからといって、大きな顔をしてのさばっている光景を見ていると悲しくなってくるよ。
それはさておき、このALLEGIANCEというバンドは、毒舌で批判対象をメッタ斬りにする(笑)、滅茶苦茶辛辣な歌詞が特徴のバンドなんだけど、この"King of The City"の歌詞も、日本人が英国人に対して思い抱く感情と、逆に英国人が日本人をどう見ているのかという感情の間に、激しい温度差があるということを良く理解していないと、本当の歌詞の意味は理解できないと思います。
例えば、よく外タレが愛想を振り撒いて日本公演に来るけど、ぶっちゃけ、あれは金儲けの為だけだからね。じゃあ逆に、日本のバンドが同じようにアメリカやイギリスへ行って、豪華なホテルに泊まって大きな顔をしたり、メディアから引っ張りダコになれるかといったら違うよね。かつて深夜に放送していた小林克也がパーソナリティを務める洋楽紹介番組の中で、あのU2が、俺達みたいな辺境の地から世界的に有名になったバンドがいるんだから、東京の君たちもきっと俺達と同じことが出来るはずだ、みたいなことを言っていたのを覚えているが、じゃあ実際に、アメリカへ進出して成功した日本人アーティストって誰がいますか? ラウドネスしかり、松田聖子しかり、久保田利伸しかり、矢沢永吉しかり、倉木麻衣しかり、宇多田ヒカルしかり、一人もいないでしょ。それは英語力の問題であるかもしれないし、日本側のプロモーション不足もあるかもしれない。でも、一番大きな原因は、根強いレイシズムというか人種的偏見じゃないかと思う。彼ら欧米人は、基本的に日本人のバンドなんて興味も無いし無関心なんだよ。ちょうど我々日本人がインドネシアやマレーシアのバンドに全然興味が無くて、イギリス人やアメリカ人の真似ばっかりしているようにさ(この場合、私が言っているのは、飽くまでもU2やOasisなどと比較して日本のバンドに食ついてくる欧米人は大勢いないだろうという意味であって、同じ日本人として、彼らの偉業には畏敬の念を抱いているし応援しているけど、ギター・ウルフやMAD3などの一連のガレージ・パンク勢の人気は除外しています)。
だから、日本人が彼ら欧米人に受けようと思ったら、サムライ、フジヤマ、ゲイシャなどのステレオタイプな日本人を演じるしかないよね。ちょうどWWEにレギュラー出演しているケンゾーと彼の奥さんみたいにさ。カブキ・ロックスなんて向こうで流行ると思うけどな。KISSのパクリだから無理か(笑)。まあ日本のバンド全員が欧米人に受ける必要はないんだけどさ。
結局、何が言いたいかと言うと、擬似アメリカ人や擬似イギリス人に成り切って、それ風に英語で歌ったり、同じ格好をして着飾ったりしても、おまえは日本の一地方では「王様」になれるかもしれない、しかし、一歩外へ出れば、ただの醜い日本人なんだよと、しかし、おまえは自分が日本人であることを全然理解していない愚か者だと、そういうことだと思います。
じゃあ逆に、俺達はサムライだとか言って、小林よしのりの著作を読んだだけの程度の知識で、神風だとか八紘一宇(天皇を中心とする日本版中華思想。こんな日本人に都合のよい思想に同意するアジア人は極めて少ないだろう)だとか言って、ごく少数のシンパのアジア人を取りこんで、アジアのリーダーを気取っている痛いミーちゃんハーちゃんがいるのは失笑ものですけどね。
(2004年5月某日)
ALLEGIANCE "KING OF THE CITY" Single CD (Panther Records)
Bill Leckie氏の英知と勇気を賞賛したい。
1.KING OF THE CITY, 2.UNKNOWN, 3.NEW DAWN
BILL: Bass/Vocals
MORISAKI: Guitar
TOKUMITSU: Drums
Chorus By HIROKI INOBE
先日、「英国式足裏マッサージ」で億万長者になったという元客室乗務員のおばさんが、とあるテレビ番組に出ていました。どこが「英国式」なのかと興味津津で見ていたところ、何のことはない、看板に嘘偽り有りで、英国とはまったく関係がなく、「英国式」と銘打っていれば(馬鹿な)日本人の客が挙って集まってくるからだそうです。ふざけた話だよね。まあ、世間一般の日本人が「英国」という言葉を聞いて思い抱く感情なんて、文明開化の頃ならいざ知らず、その程度の陳腐なものなんだよ。日本に蔓延る「英国式」ガーデニング、「英国式」紅茶の作法、「英国式」ゆとりのある生活、「英国式」アンティーク、「英国大好き」馬鹿バンド、当の英国人が見たら、こんなの「英国」でも何でもないと言うに決まってる。間違いないっ!(by 長井秀和)。とか何とか言ってる当サイトも「英国人的」ユーモアとか言ってるけどさ(苦笑)。
この「英國館」という連れ込みHOTELの写真も、多分、同じような事が言いたいのでしょう。しかし、この表紙、日本人に対する凄い皮肉だよね(笑)。似たような名前の紳士服屋でも良かったはずなのに、この表紙はセックス産業大国としての日本も同時に皮肉ってるのかな(苦笑)? ところで、左端にいる坊やはBillのお子さんですか? この表紙一つをとっても、Bill Leckie氏の鋭い洞察力を窺い知ることが出来る。ここが彼が知的レヴェルが高いと言える所以なんですよ。そこらにいる頭の弱い不良外人では成せぬ技だと思います。
音は、The Templarsをより激しくした感じです。といっても誰もわからないか(苦笑)。それだけ通俗的じゃないってことね。タイトル曲の"King of The City"は、「現代社会の矛盾を斬り込む意欲作です!!」と、そんな生易しい一行広告だけで片付けられるものではありません。当の日本人が言っていたならば(こんなこと言う勇気のあるバンドは、農耕民族・ムラ社会の日本において彼の他にいないと思いますけど)、「国際派エセ左翼」の如く説得力がなくて醜悪に成ってしまうことを、日本人ではないキャナダ人という立場から、よくぞ言ってくれたって感じです。ある種これは、外国人に与えられた特権ですね。Bill Leckie氏の英知と勇気を賞賛したい。果して、今このReviewを読んでいる日本人の何割が、このハンマーで頭を殴られたような"King of The City"が云わんとしていることを理解できるのか、甚だ疑問ですが、この曲が「豚に真珠、猫に小判、馬の耳に念仏。」とならないことを願っています。
しかし、次に続く"Unknown"と"New Dawn"の2曲は、いずれも国家というものを疑問視している内容の歌詞で、最初の"King of The City"の歌詞の内容と照らし合わせて考えてみると、今一つ理解に苦しむのですが、ダブル・スタンダードですね。こういうリベラルな側面は、The GriffinやLRFにも共通して見られる特徴なのですが、じゃあ、あなたは何人なのと尋ねられたら、Bill Leckie氏は一体何と答えるのでしょうか。どこかの「国際派エセ左翼」のように、地球市民とだけは答えないことは確かだとは思いますが。
King of The City
When you came on stage that night, a chill came right over the place
Stood there with a condescending smile upon your face
Does anybody want you, it doesn't look that way
But you were so self-satisfied
Covering your deception up with pride
Couldn't make out a word you said
I doubt you understood yourself
Let it all go to your head
And with the beat from the back it seemed the night would go on and on
Out of touch and run out of time
Are you the king of the city
Are you a legend in your own mind
Was it out of shame that you rejected your language and race
Did you wish that you were born in another time and place
They got you where they want you, got you on the run
They say you chose the easy way
Time for you to turn tail and slip away
But if you think things'll change
You're only deluding yourself
Ignorance is gonna reign
A new one's waiting in the wings and still this farce will go on and on
What's the colour of your skin and what is the nation of your birth
Sang your song but forgot who you were
自分の言葉を恥じて
訳のわからん英語で捲くし立てる
自分の人種を恥じて
白人に憧れる
遠い国のすぎさった過去に思いを馳せ
自己欺瞞と偽りの道を選ぶ
自分の全てを否定しながらも
お前は本物を気取った
逃げ出した今も
その無知が巷に蔓延る
(C) 2003-2004 DOLL Q ENTERTAINMENT INC. ALL RIGHTS RESERVED.