ALLEGIANCE
このバンドの名前が初めて日本に知れ渡ったのは、おそらく、One Way Systemの初来日公演でしょう。京都在住、謎のキャナダ人、某Footy兄弟の英語指南役でもあるBill Leckie氏率いる日加混合バンド。音はSolid極まりなく、歌詞も知的レヴェルが高すぎて、しかもホンモノの英語で歌っているものだから、このバンドの価値は幼稚な日本のドキュソ連中にはわからないんじゃないかなと思うよ。ただ、ライヴ演奏は一年に一回するかしないかで、これといった活動をしていないところが残念です。
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・・・私はこれまで京都で25年、東京で25年暮らしてきた。その体験からいえば、両都市は見事なほど対照の妙をなしている。強いて比喩的に表現すれば京都はイギリス的、東京はアメリカ的といえるように思う。京都は人の流動性の少ない固定社会であり、長い歴史に培われた確たる階層が現存している。住民の生活、習慣、信条もきわめて保守的で、ものの見方は批評的であり辛辣、平たくいえば意地が悪い。このあたりがイギリスに近いように思う。
一方、東京は流動社会であり、社会的な階層秩序は基本的にはない。良くも悪しくも田舎者が形成した開放的な新天地であり、住人のものの見方に陰影や角がなく、私などには実に住みやすい。差別やWASPのようなエスタブリッシュメント層も存在せず、伝統的なものにも無頓着な東京は、現段階ではある意味でアメリカ以上にアメリカ的な都市だと思う。
京都にはさまざまな階層がある。上層には歴代の公家である公家衆、裏千家などの茶道や華道の家元衆、西陣の織元である室町衆、本願寺の門跡などの坊主衆、伏見の酒造の蔵元である伏見衆などが鎮座し、下層には西陣の織子や各種職人、肉体労働者などが位置している。京都はまた差別社会でもあり、被差別部落民や在日朝鮮人も確固たる位置を占めている。狭い京都盆地のなかで、こうした各層が一定の微妙な距離を置きながら長い歴史で煮詰まった状態で共存しているのである。・・・
『突破者 戦後史の陰を駆け抜けた50年(上)』 宮崎学 (著)より
"HEROES IN THE MAKING" CD (MCR Company)
豚に真珠。猫に小判。馬の耳に念仏。
1.FAR AWAY, 2.OUTLAWS, 3.WE DON'T GIVE A FUCK, 4.OPTIONS, 5.NOBODY CARES (The Samples), 6.SOME THINGS NEVER CHANGE, 7.BORDERLINE, 8.HAVOC, 9.HERO IN THE MAKING, 10.STREET TO HEAVEN, 11.NOTHING LEFT
BILL: Bass/Vocals
MORISAKI: Guitar
KENTARO: Drums
Chorus By HIROKI INOBE
米国のGMM Recordsからリリースされる予定だった1st Albumが、なかなか思うようにリリースされず、2ndのこちらが先に世に出てしまったという因縁の一枚。このAlbumは味で例えるならば、ショッパイじゃなくて「苦い」です。その日本人離れしたSolidなサウンド、知的レヴェルの高い辛辣な英語の歌詞は、例えて言うならば、苦味の強い大人向けのチョコレートでしょうか。キャナダ人ひとり、日本人ふたりの計3人で編成されたバンドですが、はっきり言って、これは日本のバンドでは無いと考えます。スタクラ等の日本のドキュソ・パンクに毒されていない洋楽ですね(しかし、このバンドとスタクラ等のドキュソ・パンクを、同レヴェルで紹介している「Jap何とか」というサイトのガキは痛いですな。日本人を馬鹿にしたサイト名も痛いけどね。外国人だから、違いがわからないんでしょうね)。「カナダよりJapanese Hardcoreに魅せられて来日〜」云々の宣伝文句は無視してください。かつて、SICという日米混合バンドが、あるいは海兵隊で横須賀へ駐留していた米国人らからなるNew School Hardcoreのバンドがいましたが、聴いた感覚ではそれらにキャラとしての立場が近いと思います(注意:音楽の種類は、まったく違うよ)。
このバンドは、重低音があまり感じられず、音がちょっとザラザラしていて軽いんじゃないかというところが特徴です。どこかのサイトに書いてあった"200% pure U.K. style Streetpunk!!"というのも強ち嘘だともいえないのですが、そういう括り方は本人が一番嫌うと思うんですけど(笑)。このバンドの歌詞を読んでいつも思うのは、いやあ、この青い目のサムライさん、Bill Leckie氏というのは厳しいなあということです(笑)。特筆すべきは、2曲目、"Outlaws"の歌詞。The Griffinの名曲、"The Age of Innocence"さながら、皮肉たっぷりで、我々が定義するところの「ドキュソOi」を批判しています(笑)。しかし、これ、Combat 84の"Poseur"という曲の歌詞に酷似しているような気がするのですが(苦笑)。5曲目の"Nobody Cares"は、最初、何だ、このPopでCatchyなRancidみたいな曲はと思いましたが(笑)、The Samplesというバンドの曲のカヴァーらしいです。
自分の頭でしっかりと考えて、ホンモノとニセモノの区別が出来る人だけ買ってください。
OUTLAWS
DOCTOR MARTENS, MA-1, BRACES AND STA-PRESS
WILL TODAY BE LONSDALE OR FRED PERRY?
PUTS YOUR INTELLECT TO THE TEST
LAST YEAR'S MOHAWK COME AND GONE, NOW IT'S CLOSE-CROPPED HAIR
FOOTBALL GEAR'S OUT ON DISPLAY
WHAT MAKES YOU THINK I FUCKING CARE
77 OR 82, IT'S ALL THE FUCKING SAME
69 OR 84, THEY'RE NOT YOURS TO CLAIM
THE DIFFERENCES PASS YOU BY, INSECURITY BRINGS PAIN
BUT YOU WANT TO HAVE A LABEL, NOT A NAME
OUTLAWS, THE RULES OF REBELLION
OUTLAWS, THE YOUTH OF TODAY
AND THIS YEAR'S TREND WILL NEVER LAST
RE-CREATE YOURSELF, DENY YOUR PAST
JUST WHAT ARE YOU SUPPOSED TO BE
WE COULD NEVER TELL
DON'T CARE IF YOU'RE UNDERSTOOD?
MAYBE IT'S JUST AS WELL
LAST YEAR'S BLACK LEATHER COME AND GONE
NOW IT'S RED, WHITE AND BLUE
WELL IF YOU WANT TO WEAR A UNIFORM
THERE'S BETTER THINGS THAT YOU COULD DO
"HERE TODAY..." CD (MCR Company)
切れ味の鋭い日本刀で最初から最後まで切刻まれているような感じ。
1.LIKE IT NEVER HAPPENED, 2.WHERE DID WE GO WRONG, 3.SECONDHAND STANCE, 4.LIFE ON YOUR OWN, 5.OVER NOW, 6.EIGHT YEARS, 7.NEW ALLEGIANCE, 8.INTEGRITY, 9.DIE ON THE NEW CROSS
BILL: Bass/Vocals
MORISAKI: Guitar
KENTARO: Drums
Chorus By HIROKI INOBE
で、これが、業を煮やしGMMとの契約を破棄してMCRからリリースした1st Album。GMM Recordsというのは、彼らのHomepageを見てもわかる通り全然更新しておらず、問い合わせのメールを送っても全然返事が返ってこないんだよね。ある種、いい加減なくせに自己主張だけはするアメリカ人の典型だけどさ(苦笑)。アメリカの契約社会というものがどういうものなのか、英語が母国語であり知的レヴェルも高いBill Leckie氏が一番よく知っていると思います(下手したら、これで損害賠償を請求できるんじゃないのと素人目では思いますけどね)。しかし、残念でしたね。GMMからリリースしていたら、この素晴らしいAlbumが、西側世界のもっと沢山の人々に行き渡り、このバンドの運命も、きっと変わっていたことでしょう。私個人としては、この閉塞した現状の中で、Bill Leckie氏に「最後のサムライ」として、西と東の橋渡し役となって活躍して欲しかったのですが。
いやあ、驚いた。この1stの方が断然ぶち切れていて、弾けていますね。はっきり言って、捨て曲無し。ある意味、欧米のNationalist Bandみたいな滅茶苦茶Solidなサウンドで(歌詞は全然違いますよ)、全曲気迫に満ちていて、例えて言うならば、切れ味の鋭い日本刀で最初から最後まで切刻まれているような感じです。こんなSolidな音、こんな辛辣な英語の歌詞、間違っても日本人には出せないし書けない(もっとも、他の二人のメンバーは日本人ですが)。やはり今まで聴いてきた音楽や思考回路が日本人の我々とは違うんでしょうな。でも、1曲だけ日本パンク的なメロディーの曲がありますけどね(苦笑)。その、6曲目、"Eight Years"中の"The Rejects tattoo on your arm..."とは、LRFの某曲の歌詞にも出てくる意味深なフレーズです。最後に止めを刺すのは、堕落した英国シーンについて歌う"Die on The New Cross"。この曲は、SandiestのYamashita氏が監修したヴィデオ、V/A "Tremor on The Western Front"の中で一目見て虜になってしまったんだけど、滅茶苦茶カッコイイ楽曲で、歌詞も辛辣で、いやあ厳しいわ(笑)。この歌詞の内容で、よくもRed AlertとのSplit CDにしようと考えたよなとは思いますけど(笑)。このバンド、必ず話のネタになりそうな面白い内容の歌詞があって、紹介する方としては話題に事欠かないのですが(笑)、俗に言う「英国病」ですか。「過去の栄光と優越感にしがみついて離そうとしない老醜ともいうべき心情」、「英国の過去の栄光は何処へ行ってしまったの?」ってやつですね。我が国も、今となっては他国のことを悪く言えない現状なのですが(苦笑)、まあ、それも無理無いと思いますよ。ある在英日本人が書いた本によると、本来、階級社会であったはずの英国でも日本のように総中流化が進んでいて、階級闘争をする必要が無くなった、昔のようなYouth Cultはもう現れないだろうと言っていました。
某うにオン専属エセ評論家のT野さん、このCDが、おたくの某支店ワゴンの中で800円かそこらで他の売れ残りCDと一緒に二束三文で売られている、あんた、そんな低レヴェルな、この国のOi!/Streetpunkの行方をどう思うや?
Die on The New Cross
Came to town last week and the whole thing still seemed like a dream
But here in the city I've learned nothing is quite how it seems
The shopkeepers don't give a fuck about the reason that you're here
Rip you off with lowgrade stock
Your dream's a pound for the cashier
Young band's on stage but the bar is where the action's found
Who needs the hope of tomorrow when the old band's reformed and in town
When they finally take the stage they'll take you back to better times
An age that ended long ago
A nostalgia trip that's just a lie
There was a time when you had something to say
But you can't live in yesterday
'Cause the power is gone and the glory won't stay
You'll die on the new cross today
Just up the street is a town where the grief hasn't changed
But you sit on your asses and let society take the blame
Your hairstyle does the talking now, your creed's a jacket that you wear
Your fight turned to complacency
And now you're just a cross for us to bear
What was the point of you coming this far
If you can't finish what you start
What was the point if you trade your beliefs
For a world of self-deceit
カーナビーストリートに漂う腐敗臭が長年の夢を醒ます
ゴミ同然の品物に無愛想な店員
名曲がレジの音に掻き消される
おっさんおばはんがライブハウスのバーに群がって
生ぬるいビールと懐古趣味に酔い痴れる
過去のヒーローの登場を待ちあぐんで
ステージの若いバンドに冷ややかな視線を送る
窓の外で果てなく続くスラム街を
鋲ジャンとモヒカンで変えられるのか
過去の名声の上にあぐらをかいて
呑気に社会批判を垂れやがる
"KING OF THE CITY" Single CD (Panther Records)
Bill Leckie氏の英知と勇気を賞賛したい。
1.KING OF THE CITY, 2.UNKNOWN, 3.NEW DAWN
BILL: Bass/Vocals
MORISAKI: Guitar
TOKUMITSU: Drums
Chorus By HIROKI INOBE
先日、「英国式足裏マッサージ」で億万長者になったという元客室乗務員のおばさんが、とあるテレビ番組に出ていました。どこが「英国式」なのかと興味津津で見ていたところ、何のことはない、看板に嘘偽り有りで、英国とはまったく関係がなく、「英国式」と銘打っていれば(馬鹿な)日本人の客が挙って集まってくるからだそうです。ふざけた話だよね。まあ、世間一般の日本人が「英国」という言葉を聞いて思い抱く感情なんて、文明開化の頃ならいざ知らず、その程度の陳腐なものなんだよ。日本に蔓延る「英国式」ガーデニング、「英国式」紅茶の作法、「英国式」ゆとりのある生活、「英国式」アンティーク、「英国大好き」馬鹿バンド、当の英国人が見たら、こんなの「英国」でも何でもないと言うに決まってる。間違いないっ!(by 長井秀和)。とか何とか言ってる当サイトも「英国人的」ユーモアとか言ってるけどさ(苦笑)。
この「英國館」という連れ込みHOTELの写真も、多分、同じような事が言いたいのでしょう。しかし、この表紙、日本人に対する凄い皮肉だよね(笑)。似たような名前の紳士服屋でも良かったはずなのに、この表紙はセックス産業大国としての日本も同時に皮肉ってるのかな(苦笑)? ところで、左端にいる坊やはBillのお子さんですか? この表紙一つをとっても、Bill Leckie氏の鋭い洞察力を窺い知ることが出来る。ここが彼が知的レヴェルが高いと言える所以なんですよ。そこらにいる頭の弱い不良外人では成せぬ技だと思います。
音は、The Templarsをより激しくした感じです。といっても誰もわからないか(苦笑)。それだけ通俗的じゃないってことね。タイトル曲の"King of The City"は、「現代社会の矛盾を斬り込む意欲作です!!」と、そんな生易しい一行広告だけで片付けられるものではありません。当の日本人が言っていたならば(こんなこと言う勇気のあるバンドは、農耕民族・ムラ社会の日本において彼の他にいないと思いますけど)、「国際派エセ左翼」の如く説得力がなくて醜悪に成ってしまうことを、日本人ではないキャナダ人という立場から、よくぞ言ってくれたって感じです。ある種これは、外国人に与えられた特権ですね。Bill Leckie氏の英知と勇気を賞賛したい。果して、今このReviewを読んでいる日本人の何割が、このハンマーで頭を殴られたような"King of The City"が云わんとしていることを理解できるのか、甚だ疑問ですが、この曲が「豚に真珠、猫に小判、馬の耳に念仏。」とならないことを願っています。
しかし、次に続く"Unknown"と"New Dawn"の2曲は、いずれも国家というものを疑問視している内容の歌詞で、最初の"King of The City"の歌詞の内容と照らし合わせて考えてみると、今一つ理解に苦しむのですが、ダブル・スタンダードですね。こういうリベラルな側面は、The GriffinやLRFにも共通して見られる特徴なのですが、じゃあ、あなたは何人なのと尋ねられたら、Bill Leckie氏は一体何と答えるのでしょうか。どこかの「国際派エセ左翼」のように、地球市民とだけは答えないことは確かだとは思いますが。
King of The City
When you came on stage that night, a chill came right over the place
Stood there with a condescending smile upon your face
Does anybody want you, it doesn't look that way
But you were so self-satisfied
Covering your deception up with pride
Couldn't make out a word you said
I doubt you understood yourself
Let it all go to your head
And with the beat from the back it seemed the night would go on and on
Out of touch and run out of time
Are you the king of the city
Are you a legend in your own mind
Was it out of shame that you rejected your language and race
Did you wish that you were born in another time and place
They got you where they want you, got you on the run
They say you chose the easy way
Time for you to turn tail and slip away
But if you think things'll change
You're only deluding yourself
Ignorance is gonna reign
A new one's waiting in the wings and still this farce will go on and on
What's the colour of your skin and what is the nation of your birth
Sang your song but forgot who you were
自分の言葉を恥じて
訳のわからん英語で捲くし立てる
自分の人種を恥じて
白人に憧れる
遠い国のすぎさった過去に思いを馳せ
自己欺瞞と偽りの道を選ぶ
自分の全てを否定しながらも
お前は本物を気取った
逃げ出した今も
その無知が巷に蔓延る
1.EIGHT YEARS, 2.DIE ON THE NEW CROSS, 3.SECONDHAND STANCE, 4.LIFE ON YOUR OWN, 5.INTEGRITY, 6.NEW ALLEGIANCE, 7.OUTLAWS, 8.HAVOC, 9.HERO IN THE MAKING, 10.STREET TO HEAVEN, 11.NOTHING LEFT, 12.WE DON'T GIVE A FUCK, 13.SOME THINGS NEVER CHANGE, 14.UNKNOWN, 15.NEW DAWN
あれあれ、もうBest Albumですかと敬遠する方がいるかもしれませんが、上記で紹介したCD3枚から選んだ曲で構成されたBest Albumです。従って、既に上記のCDを3枚とも所有している方は、余程のメイニアックじゃない限り買わなくてよいです。Bill Leckie氏がヨーロッパにおけるMCRの流通事情を考慮して、このようなBest Albumという形にしたのだと自身のInterviewの中で語っていました。個人的には、秀逸な歌詞の名曲、"King of The City"と、The Samplesのカヴァー曲である、PopでCatchyなRancidみたいな"Nobody Cares"が収録されていないところが不満ですけど。Ghetto RockのWebsiteには"+ 2 new, previously unreleased songs"と書いてありますが、それらは"King of The City" Single CDから選んだ2曲のことを指しています。従って、飽くまで"King of The City" CDを容易に入手できない外国人にとっての「未発表曲」という意味であり、日本国民の我々からしたら未発表曲でも何でもありませんので注意が必要です。しかし、紹介文に書いてある"...Anti-Heros meets Blitz"というのは、GMMと交渉が決裂した今となっては皮肉ですね(苦笑)。MP3と今まで謎に包まれていた彼らのBiographyも掲載されているので、興味のある方はここで確認してください。因みに、日本国内において、このCDは都心の専門店へ行かないと買うことが出来ません。購入しようと考えている方は、直接バンドかGhetto Rockに問い合わせたほうが良いかと思います。
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